緊張と緩和と臆病と大胆

書きたいことだけ

さらなるファミリーコンサートレポート その3

8 ふらふらさばく 

ムームーとガラピコのふらふらさばく、尺が長いところに背景はベージュ一色、お兄さんお姉さんもいないので、間が持つかな?間延びしないかな?と一瞬思ってしまうのですが、全くそんなことはございません。

前述した各キャラクターのダンス時の個性と、ダンサーさん達が扮する様々なキャラクターのおかげで、ベージュの布の背後に存在するであろう場面転換の様子など全く想起させることなく楽しい時間を過ごすことができます。

 

そして、よしお兄さんとりさお姉さんの登場。

お二人の衣装についても6日に再度見直し、細かい修正点をメモしていたのですが、ボケーっとしている間にDVDのジャケ写が発表されてしまい、よしお兄さんのシャツのストライプは白とベージュであることがばっちり判明してしまう始末。

ジャケットに出ていない修正点ですと、りさお姉さんのキュロットの裾にピンクが入っていることくらいでしょうか…。

あと、僭越ながら言わせていただくと、ジャケ写を見た時、「コスチューム、結構正確に覚えてたな、私…」と思いました。

記憶力がいいって、紛れもなく長所のはずなのに、ある場面では気持ち悪くなっちゃうんだなあ。

 

そしてもう一点補足をしますと、「すいぶんほきゅう!」の掛け声の際のお二人のイントネーションは、ビビンビーンのメロディではなく、NHK推奨であろう、正しい日本語のイントネーションでした。

それでも会場のみんなにはピンときて、うふふ、くすくす、と笑い声があちこちからしてるの、愛だよね。

 

9 バスにのって

10 ぴぴハピー
11 し・し・しのびあし

この一連の楽曲では、よしお兄さんとりさお姉さんの素晴らしさを存分に味わえます。

バスにのっての会場の盛り上がりについては既に前述しましたが、これも勝手に会場が盛り上がっているんじゃなくて、よしお兄さんとりさお姉さんの客席煽りが、すっごいの。

声量も声に込められた感情も、なんというか、ここで盛り上がらなくてどうする!と思わせるし、ここで私たちが声を出してること、きっと二人には届いてる、受け止めてくれてる!って確信させてくれる声と表情なんですよね。

なんだろう、あの二人の包容力。

ブラックホール

吸い込まれても悔いなしです。

そしてぴぴハピーでは、ごくごくさりげなくもきちっと跳躍しているよしお兄さん、し、し、しのびあし、では、ごくごくさりげなく楽しいしのびあしと楽しいお顔を披露しているお二人を、是非ご覧ください。

あのね、サラッと、何てことないようにやっているパフォーマンスのクオリティがいちいち高すぎるんですこのお二人は。

あんまりさりげないからこちらもつい見逃してしまうんですけれど、ふと気がついて真剣に見てしまうと、その表情ひとつが、その身のこなしひとつが、本当に練り上げられたものだとわかってしまい、目が離せなくなります。

 

最後、見事ムームーとガラピコが美しい鳥を連れていけることになった場面。

よしお兄さんは、「僕たち旅人の間では…」と、ある言い伝えを披露。

このとき、よしお兄さんは、自分とりさお姉さんのことを「僕たち旅人」と表現します。

それによって、私たちは、もうお二人が、ムームーとガラピコとは別の道を歩んでいるんだということを理解します。

かつてよしお兄さんが「僕たち」と言ったとき、それはきっと、ガラピコやムームーも含めた、おかあさんといっしょの仲間たちを指していたことでしょう。

しかし、もう違う。

ガラピコとムームーは、よしお兄さんから見た、「君たち」。

ぼくときみは違うからこそ、お互い好きになれるのかも、という名曲もありますが、これにはやっぱり少しの寂しさと切なさを感じてしまいました。

りさお姉さんは、ムームーとガラピコに、「よく頑張ったねえ!」とねぎらいます。

この「よく頑張ったねえ!」のあたたかさと言ったら…。

本当に勝手ながら、りさお姉さんが私の日々の生活をそっと見てくれていて、私に対して「頑張ったねえ!」って言ってもらったような気持ちになるんですよね。

そう、僕、私、頑張ったんだ!頑張ってるんだ!って、胸を張りたくなるような。

頑張ったって、わかってくれてる人がいたんだ、見てくれている人がいたんだって、ほっとして泣きたくなるような。

そんなあたたかい「頑張ったねえ」です。

 それにしてもこのお二人が出てくる場面で、現在の4人をぶつけなかった構成、すごく巧みだし、すごく優しいと思います。

子供であり、先代と当代という関係性のないムームーとガラピコだからこそ、嫌味なく素直に助ける、助けられるという役割を担えるのでしょうし、当代の4人との合流場面を後に持っていくことによって、よしお兄さんとりさお姉さんの初登場場面のインパクトが増し、誰と比較する、比較されることもなく、遠慮なく輝くことができたのだと思います。

 

そしてムームー、ガラピコとよしお兄さん、りさお姉さんはしばしのお別れ。

このとき、ムームーとガラピコは舞台上から階段を降りてハケるのですが、りさお姉さんはここでも「気をつけてねえ!」と声をかけます。

これも、本当に心配してるよ、いつもあなたが無事で、元気でいるように願ってるよ、っていう思いが伝わる、だけど湿っぽくはなくて元気で明るい声。

りさお姉さん…すき!

そして、階段を下りる際のガラピコのロボ仕草の徹底振りと、舞台側の照明を浴びて際立つ顔の陰影の深さに、ぜひご注目ください。

ガラピコの顔、直線的に見えていましたが、こんなに繊細な曲線でできているんだ…とびっくりしましたし、顔に濃く影が差す様子は、なんだかハードボイルドでした。

でも仕草はあのロボぶりなので、なんだかもう、見ていてたまらなく可愛かったです。

ガラピコ、お前はいつも我々に予想外の魅力を見せてくれるな…。

ガラピコにんじゃしゅぎょうの頭巾のフィット感が半端ないところも大好きだよ…。

 

12 ドンスカパンパンおうえんだん

ここでのまことお兄さんのすばらしさについては既に散々述べましたが、6日に再度その素晴らしさを噛み締めたところ、落ち込む際のまことお兄さんのセリフは、「こんなときに、なにもできない僕は!!」という倒置法ではなくて、「こんなときに、なにもできない僕ぅ!!」という、体言止めが正しいようです。

でもね…もうさ、どっちでも最高じゃない…?

「ぼくぅ!」って、なんというか、「ボクゥ!」って感じなんですよ。

まことお兄さん、気品と若さに溢れてて、どことなくボクちゃん感があるんですよ。

まあ、私の勝手な色眼鏡100パーセントなんですけどね。

あとね、これは余談なんだけど、普段、オフィシャルな場では「僕」とか「私」って言ってる人が、飲み会とかちょっと砕けたミーティングとかで、「俺」になる瞬間って、いいよね…。

まことお兄さん、卒業までの間に一回でいいから「俺」って言わないかな…。

4人でご飯食べてるときに話が弾んでうっかり「俺」って言ったりしてないのかな…。

あっ、月歌に「俺」が入ってる曲が来れば、強制的に俺って言わせられるな?

「俺☆オレ☆フラメンコ☆」とかね!センス虚無!

あと、あん馬はこの場面の最初から既にステージに設置されていました。

気がつくと恐ろしい存在感なのに、4日に見たときはいつの間にあん馬が置かれていたのかまったく気づいてなかったの、すごいな。

インテリアとしてのあん馬の可能性が示唆されたし、インテリアとして家にあん馬を置いておけば、通りすがりのまことお兄さんがおびき寄せられないかな。られないよ。

 

妄言はこのくらいにしておいて、この曲の際、ぜひとも、ぜひとも見ていただきたいのが、振り付けをこなしつつも、今まさにあん馬の演技に臨もうとする際のまことお兄さんの表情。

演技に向けて集中し、研ぎ澄まされた真剣な顔は、まさに、いざとなったらアスリート。

緊張感を伴いつつ、わずかな高揚をはらみつつ、キリッと引き締まった生真面目な表情は、端的に言って、「美」でした。

大げさかもしれないけど、太古の昔からアスリートが芸術作品のモチーフとされるのがよくわかりました。

本当に本当に、美しいお顔です。

もうね、美の壺

本日の日曜美術館はこちらです!

優れた芸術作品に深く切り込むことでお馴染みの素晴らしい番組、日曜美術館ですが、何のことはない、一番の「美」は、自局内に存在していたのでした…それ何て青い鳥の物語…?

それでね、そんな顔で、でも体はちょいちょいっとドンスカパンパンおうえんだんの振り付けをこなしてるから、おい、ギャップで殺す気か?ってなりました。

あ、あとね(結局いろいろ言う)、演技のために、手に巻いていた布テープ様の物体(バンテージというのかな?)、いいです。

あと、滑り止めのために手に白い粉をはたくの(ロージンというのかな?すべての知識が中途半端だよ!)、いいです。

なんならその白い粉がお衣装にちょっとついちゃって、埃っぽくなってるの…とっても良かったです。

まことお兄さんの戦い、って感じで。

8月にはソフト化されるこのステージですが、2秒、いや、3秒でいいから、このときのまことお兄さんのお顔をドアップで抜いていただけないでしょうか…。

そしたら毎月1枚ずつ買うから…。

 

13 からだ☆ダンダン

 このステージ後に発売された雑誌「NHKウィークリーステラ」において、あづきお姉さんが弘道お兄さん世代であったことが判明しました。

それを踏まえて、あづきお姉さんの「ぱわわぷたいそうで?(元気を集めるの?)」というセリフを思い返すと、一層趣が深まりますね。

受け継ぐ者、受け継がれる者の物語。

そして、6日オーラスのまことお兄さん、あづきお姉さんは、4日よりもさらに自由に、楽しそうに、ステージいっぱいを駆け回っていました。

「かぁいじゅうになるよぉぉおがおおおーーー!!!(息継ぎ、言葉の継ぎ目一切なし)」も、4日よりさらにパワーアップしており、その弾けっぷりに会場のお父さんお母さんがどよめくほど。

現在はテレビでもなかなかの「がおおおー!」を披露しているまことお兄さんですが、GW当時のテレビ放送では、まだまだお行儀よく、「怪獣になるよっ!(息継ぎ)がおー!!」だったんですよね。

そこからわずか一ヶ月あまりで、表情、身のこなし、声かけの様子は大きく変わりました。

そしてこれからも、きっとどんどん変わっていくことでしょう。

振り返れば試行錯誤の中の一過程に過ぎないのでしょうが、どの一瞬もとても眩しく尊い

そもそも、まことお兄さんとあづきお姉さんの存在自体が眩しく尊い

なんだかもう、二人とも…生きていてくれて、ありがとう…と、語彙を失ったオタクと化してしまいますし、あのお二人の尊さからすれば、語彙を失ってしまうのも無理のない話です。