緊張と緩和と臆病と大胆

書きたいことだけ

みんなといっしょ、おかあさんといっしょは60周年~スペシャルステージに寄せて~

ご無沙汰しておりました。
ご無沙汰している間に季節は変わり、まことお兄さんとあづきお姉さんが参加した歌のクリップは増え、特にもぐらトンネルにおけるお調子もぐらではまことお兄さんがTwitterのトレンドに躍り出てGoogleでも検索ワードとして急上昇するなどなかなかのざわつきとなり、まことお兄さんとあづきお姉さんお二人での収録も大成功し、ゆういちろうお兄さん、あつこお姉さんとの四人での地方コンサートも当然ながらとても素晴らしく、そうこうしているうちに夏特集のふしぎホテルでトロの上にウニを乗せて牛肉で巻いたかのような歌に踊りにお芝居に、かと思えばかの名作「しあわせのきいろい…なんだっけ?!」のDVDとCDが発売され、息つく間もなく今週は60周年スペシャルが放送され、そして土曜日の60周年スペシャル最終回の日は、同時に夏のスペシャルステージの初日です。

一文が長い。
国語の作文なら教師が助走つけて殴るレベルで長い。
私も努力はしたのです。
削除すべきところはしましたし。
私が一番好きなのは、カレーライスのうたのまことお兄さんですが、ジャバ・ジャバ・ビバ・ドゥーとべるがなるのまことお兄さんが猛追してきております、とか。
あっ、言ってしまいました。

とにかく、なんとか手短に申し上げようと思いましたが、どうしても、どうしても!これ以上は縮められなかった。
いや、トロの上にウニの下りはいらなかったか…?
いやいやでも、あの豪華さについて触れずにはいられないし、例えずにはいられないです。
あ、板さんすみません、やっぱりウニの上にキャビアも乗せてください!
えっ、こぼれイクラと一本穴子もあるの?
ええ~どうしよっかなあ~。



それにしても、60周年スペシャルの素晴らしいこと。
私は明日(※だらだら書いているうちに今日になりました)、ガラピコにんじゃしゅぎょうのグッズ一式を確実に手に入れるために五時半に起きて九時にグッズ売り場にいなければならないのですが、それでも言わずにはいられない。
おかあさんといっしょは、本当に素晴らしい作品だと。
それを改めて感じさせてくれた、60周年スペシャルに関わった全ての方に感謝したいと。

毎日の放送の素敵ポイント一つ一つに触れるとこのまま夜明けを迎えること待ったなしなので我慢しますが、おかあさんといっしょという番組のその歴史、その「ずっとそばにいてくれたんだ」という感覚に、毎日ドキドキワクワク、そして目はウルウルしっぱなしでした。

私自身はにこぷん世代でして、人形劇はにこにこぷん、お兄さんはおさむお兄さん、お姉さんはみゆきお姉さんとゆうこお姉さん、身体表現はひょうちえさんのハイ!ポーズ!、体操は天野勝弘さんのぞうさんのあくび、でした。
はい、今羅列しただけで泣きそうになりました。
この月から金で、全員、全部、また会えたじゃない…。

この、自分がドンピシャだった頃のメンバーや作品というのは、自分の自覚以上に心と体に染み付いているようで、一瞬映像を見ただけで、どんなコーナーだったとか、その頃の自分や家族の思い出というのが奔流のようにどっと溢れて、それが感情を猛烈に刺激してくるのです。
コントロールできない喜び、懐かしさ、切なさに、この五日間で何回襲われたことか。

でも、じゃあ、それだけしか覚えてないの?と言うと全くそんなことはないんですよね。
レッシーソラオ♪も、ス~プラピ、スプラパ♪も、あいう!も、ぱわわっぷ!も、他にも他にも…自分が生まれてからの大抵のものは、「知ってる…なんかこれ知ってまあす!何故かわかりまあす!」という感じで。
自分が思っている以上に広い時間軸で、多くの作品に触れていたんだということに、今回のスペシャルで気づかされました。

そしてそれは、きっとテレビを見ていたみんながそうなのだと思います。

たとえば、たとえば。
おかあさんに抱っこされて。
おとうさんの膝の上で。
夏休みの親戚の家で。
風邪で学校を休んで心細い日に。
下のきょうだいに付き合ってあげて。
親友と喧嘩した日の夕暮れに。
進路で悩んだ放課後に。
上京して、一人暮らしを始めたばかりの部屋で。
オールした後、夜の続きの感覚で興奮したまま帰宅して。
仕事が辛くて、優しいものに出会いたいときに。
世の中が恐ろしく思えて、ニュースなんか見たくない日に。
大事な人と二人で迎えた朝に、何となくつけたテレビで。
必死に家事をしながら、夢中になっている子どもを観察しつつちらりと。
お休みの日に、自分の子どもを抱っこし、その命の温もりを感じながら。
膝の上に座る子どもと、声を合わせ歌い、体を揺らして。
学校に行く子どもを送り出した後、パートに行く準備をしながら。
子どもがひとりだちした後、朝のお茶の時間に。

たくさんの人たちが、それぞれの人生を送る中で、それぞれの形で触れている。
食い入るように見ることもあれば、それぞれの人生に精一杯で目に入っている自覚すらないこともある。
おかあさんといっしょは、そんなあらゆる視聴者を、優しく受け入れてきたのだと思います。
どんなときも、あなたといっしょ。

そして、そのような番組の優しさは60年にわたって積み重ねられ、視聴者たちの歴史もそれぞれに織り成されてきました。
今回のスペシャルをきっかけに、親が子に、時には子が親に、さらには親戚や友達同士で、「私にとってのおかいつ」を語り合った方も多かったのではないでしょうか。
そしてその会話は、おそらく、純粋なテレビ番組の感想という枠には収まらず、家族の思い出や歴史や自分自身の歩みを振り返る、幸福で温かで、どこか切ないものだったのではないでしょうか。

世代を超えて愛され、多くの人の人生と重なり、思い出を呼び起こす媒介となる。
そのような役割を果たせるテレビ番組が、一体どれだけあるでしょうか?
やはり、おかあさんといっしょという番組が持つ力は、とんでもないのです。

なお、我が家では、夫が「おかあさんといっしょ…?何も…記憶が…あっだんご三兄弟は流行ったから知ってる」という有り様でした。
え?は?かしのきおじさん知らないの?どういうこと?しんすけさん知らない?ちょ…話にならないんですけど?じゃああの紐のやつは?ほら…あの…なんかぐにゅぐにゅした紐のやつ…知らない?お前モグリだろ?最後にしてあげるけどYUZOは?まあYUZOは私も今回お顔と名前が一致して、慌ててAmazonvideo見てきたんだけど…と、危うくブラック企業も真っ青の激詰めをするところでした。
でも大丈夫。
これまで書いてきたように、おかあさんといっしょはあらゆる人を受け入れます。
彼のおかいつ道は、自らが子を持ったところから始まり、そして拓けてゆくのです。
主に妻である私の手によって…それにしてもYUZOお兄さん、癖になる…。



さあ、夜が明ければ、かぞえてんぐさんとすりかえかめんさんにお会いできます。
そして、さいたま、大阪と続くスペシャルステージでは、お兄さんお姉さんをはじめとするたくさんの方々が、子どもと、かつて子どもだった人のために素晴らしいステージを見せてくださることでしょう。
表舞台も裏舞台も、そこにあるのは夢のおもちゃ箱です。

60周年、おめでとうございます。
初日、おめでとうございます。